研究者情報 研究シーズ集
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08 | SEEDS研究の内容(大学院向け)看護学研究に限界はない 日ごろから患者に寄り添う看護師だからこそ気づくことのできる臨床の課題やニーズがあります。そうした課題やニーズを抽出し、機序に基づいて新たな技術や機器を開発し、臨床での評価?普及につなげる学問が「看護理工学」です。これまで「無いなら創る」の精神で、看護理工学の手法を用い、また産官学連携によって、褥瘡ケアや創傷ケア、スキンケアにかかわる様々な製品やツールを開発し、実用化してきました。常に看護を今より良くするための研究に、分野や手法にとらわれることなく取り組んでいきます。若い皆さんの自由な発想と、バイタリティあふれる行動力に期待しています。研究キーワード看護のものづくり/DX/傷(キズ)Hiromi Sanadacontact: sanadah@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/hiromisanada本学では人生100歳時代の少子高齢化社会を支える次世代の看護師?看護学研究者を育てていきます。看護を通じた自己実現を目指しませんか。男性も大歓迎です。メッセージProfile研究分野褥瘡学/看護理工学/老年看護学/創傷看護学所属学会日本褥瘡学会/日本創傷?オストミー?失禁管理学会看護理工学会/日本看護科学学会 など学歴?経歴1979年聖路加看護大学 卒業1997年金沢大学医学部研究生 修了(医学博士)1998年金沢大学医学部保健学科 教授2003年東京大学大学院医学系研究科 教授2019年Fellow of American Academy of Nursing(FAAN)2021年Sigma Thera Tau International Honor Society of Nursing?Member2022年石川県立看護大学 学長受賞2020年ヘルシーソサエティ賞パイオニア部門2022年 World Union Wound Healing Societies Lifetime Achievement Award論文Qin Q, Oe M, Nakagami G, Kashiwabara K, Sugama J, Sanada H, Jais S. The effectiveness of a thermography-driven preventive foot care protocol on the recurrence of diabetic foot ulcers in low-medical resource settings: An open-labeled randomized controlled trial. Int J Nurs Stud. 2023 Oct;146:104571. doi: 10.1016/j.ijnurstu.2023.104571.書籍等出版物●Bioengineering Nursing: New Horizons of Nursing Research, Nova Science Pub, 2014.●看護理工学, 東京大学出版会, 2015.講演?口頭発表等●“I will be the avatar : The new care recommendation system for wound care management,” The 9th APETNA Conference.●「ライフワークとしての褥瘡対策」第23回日本褥瘡学会学術集会競争的資金等の研究課題●科研費基盤研究(A) スマートホームケア構想実現のための非侵襲的リキッドアセスメント技術の開発●科研費挑戦的研究(開拓)滲出液エクソソームマーカー検出人工リポソームの開発:創傷アセスメントの新たな展開社会貢献活動●日本学術会議 連携会員,看護学分科会委員●厚生労働省,文部科学省,経済産業省などの各種委員●日本看護協会 副会長 など年を取るのも悪くないなと思える社会の実現に向けて研究の概要 高齢者は自己実現をはかる成熟のプロセスの最終段階を迎える存在です。しかし、身体の生物学的な老化にともなって、寝る、食べる、排泄する、歩くなどの日常生活に端を発する疾病や障害が、高齢者が自分らしく生きることを妨げています。そこで、寝ることに起因する褥じょくそう瘡(いわゆる「床ずれ」)、排泄に関連する失禁関連皮膚炎(いわゆる「おむつかぶれ」)や尿路感染症、食べることに起因する 誤ごえんせい嚥性肺炎、歩くことに関連する糖尿病足あしかいよう潰瘍などに焦点をあて、それらの発症メカニズムを解明し、予測、予防、ケアの新しい技術や機器などを開発することに取り組んでいます。真田 弘美 学長

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