研究者情報 研究シーズ集
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SEEDS | 09研究の内容(大学院向け)スポーツや運動の現場での科学的知見を、壮年?老年期の健康増進へ生かす実践的研究 スポーツや運動の現場の知見を科学的に立証するため、お年寄りの運動習慣が体力や体組成に及ぼす影響を調べています。スポーツや運動は“楽しい”ことが大事なため、身体を動かす楽しさを味わえるイベントを開きます。楽しいことがわかると運動は長続きします。わかったあとは、自分のペースで運動に取り組んでもらいます。私の役割は、運動習慣を形成するおせっかいヒントを的確なタイミングで出し、運動を楽しむ環境をつくることです。地道な研究から、おもしろいことがわかってきました。無理のない運動を自分のペースで行うと、お年寄りの筋肉量は増え、持久力は向上する可能性があります(図参照)。きつい運動を我慢してやらなくても健康になれる、ということです。運動/コミュニティ?エンパワメント/アクションリサーチWataru Kakihanacontact: kakihana@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/read0152818運動不足は、すべての世代に共通な健康問題です。注目されていますが、一向に改善されません。私はこの問題を解決するために、“こうしたら、運動を続けられるかも”のヒントを的確なタイミングで出し、“それとなく”運動へ導くための戦略とその効果を研究しています。メッセージ図. 無理のない運動を高齢者が行ったときの筋肉量の変化研究分野体力科学/応用健康科学/初年次教育所属学会日本体力医学会/日本機械学会初年次教育学会/地域活性学会大学教育学会学歴?経歴1992年早稲田大学人間科学部 卒業1994年筑波大学大学院体育研究科修士課程 修2001年早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程 修了1997年早稲田大学人間科学部 助手2000年国立身体障害者リハビリテーション研究所 流動研究員2007年石川県立看護大学看護学部 准教授2020年同大学 教授 (現在に至る)受賞●第17回 日本運動器リハビリテーション学会 奨励賞●日本経済新聞社社会人基礎力育成グランプリ 2013 準大賞●石川県立看護大学ベストティーチャー賞●農林水産省第3回食育活動表彰 ボランティア部門 消費?安全局長賞論文●参加型の地域健康づくりが高齢者の行動や健康状態に及ぼす影響.地域活性研究,18,1-10,(2023)●看護学生を能動的な学習へ導く探究学習の実践研究.初年次教育学会誌,15,50-57,(2023)書籍等出版物箕浦 とき子, 高橋 恵(編著): 5章 社会人基礎力を意識的に育む授業とは,6章 フィールド実習を通じた社会人基礎力の育成,7章 学生が自己の健康を管理する力の育成, 看護職としての社会人基礎力の育て方[第2版].日本看護協会出版会,2019.講演?口頭発表等学生と高齢者が協働する「健康長寿のまちづくり」(招待講演),日本世代間交流学会第13回全国大会,2022競争的資金等の研究課題●主体的に考える力を養う看護系初年次教育の実践研究●壮年?老年期の健康増進を図るヘルスコミュニケーション社会貢献活動●初年次教育学会 理事●地域活性学会 北信越支部 副支部長了身体活動を促進する行動科学および社会的支援アプローチの効果研究の概要 「地域を基盤とした参加型研究によるコミュニティ?エンパワメントの構築は、高齢者の健康を維持?増進させる」という仮説検証型の研究を行っている。研究者と高齢者が協働して地域健康づくりを作り上げる介入プロセスを、トライアンギュレーション法を用いて質的に分析する。併せて、介入に伴う高齢者の体組成および体力の変化を対照群のそれと比較する。量的?質的分析により、コミュニティ?エンパワメントの構築が高齢者の健康を維持?増進させる根拠を明らかにする。垣花 渉 教授

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