SEEDS | 11研究の内容(大学院向け)脳が人を創り、人が脳を知る時にうまれるもの それは「理解」です。…などと抽象的&大袈裟に書いてみましたが、私は脳が持つ構造と機能的な特徴をもとにした研究を行なっています。その一端として、脳構造に着目した精神疾患特異性についての研究があります。脳は下左図のようにしわのある構造をしていますが、表面の灰白質と呼ばれる部分の厚みや、ある領域における表面積、ある範囲内に収まっている密集具合など、さまざまな特徴があります。また、脳を細かく分け、それぞれでの活動量を分析すると同じように働く部位とそうではない部位(下右図)があります。こういった特徴を数値に変換し、統計学を用いて、人の反応として表現される脳のありようを探究しています。心理学/認知科学/脳科学/応用臨床心理学Yukihisa Matsudacontact: ymatsuda@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/ym0315メッセージ過去、未来、起こりえなかった並行世界にとらわれすぎることなく、今、この瞬間を生きてください。※ 実験風景(左図)。反射光が視覚刺激のじゃまになるので全体的に黒いですね。およそ0.01秒単位で実験画面をコントロールして人間の反応を記録しています。研究分野心理学/認知科学/脳科学所属学会日本心理学会/日本生理学会日本カウンセリング学会/北陸心理学会日本認知症予防学会学歴?経歴東北大学大学院情報科学研究科で博士号取得後, 医学系研究所研究員, 薬学部講師などを経て現職受賞2016年認知症サポーターキャラバン活動 優良自治体賞論文●松田幸久?菅本宙晃.(2023).クロニンジャーのパーソナリティ理論における気質を測定する通俗的心理テストの作成.都市経営:Urban Management, 15, 139-147.●Matsuda Y, 他. (2018). Cortical gyrification in schizophrenia: current perspectives. NEUROPSYCHIATRIC DISEASE AND TREATMENT, 14, 1861-1869.書籍等出版物Matsuda, Y. (2022). Two Dissociable Functions of Spatial Attention, Facilitation Effect and Inhibition of Return. Current Overview on Science and Technology Research Vol. 4, 135-157.講演?口頭発表等Matsuda Y, 他.(2021). Associations between human error in prescription inspection, personality traits, and working memory. The 32nd International Congress of Psychology.競争的資金等の研究課題●選好場面判断における眼球運動がもたらすストレス低減効果の解明, 2020, 福山市立大学●薬剤師?薬学部生を中心とした認知症スクリーニング?ゲームの開発と実践, 2018, 第7回杉浦地域医療振興助成金, 公益財団法人杉浦記念財団社会貢献活動心理学の諸領域(北陸心理学会)編集幹事補佐目を開いた時に生まれる、この世界が間違いなく存在するという認識研究の概要 人間が有している機能の特徴を研究しています。人間が持っている機能はまだまだ解明されていないことが多く、よく「内なる宇宙」と例えられます。私は視覚と記憶を中心として意識的?無意識的な視覚情報処理過程を研究しています。 最近、初めた研究としては“どこを見ているか”と“何を感じているか”の関係についての研究を行なっています。一例では「ウィンドウショッピングなどの好き嫌い判断にはリラックス効果があるか?」について、眼球運動、自律神経系、唾液に現れる生理反応を観測して研究しています。経験上ではウィンドウショッピングや美術館で美術品の好き嫌いを考えているだけで、ストレス緩和効果があると思うので、きっと結果もそうなるはず!松田 幸久 准教授
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