14 | SEEDS歩行解析/転倒リスク評価/医療工学Yui Sanocontact: yuisano@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/yuisano図1.歩行画像解析実験の様子医学?看護学分野に工学が混ざることで、多方面から現象をとらえることができます。分野を超えて互いに協力し、新たな価値を見出したいと考えています。また、自分も通ってきた学生時代を思い出し、学生と一緒に作っていく講義を目指したいと思っています。メッセージ図2.センサーを使った実験システム図3.足先接地面積計測装置研究分野歩行解析/転倒リスク評価所属学会日本機械学会/看護理工学会学歴?経歴2011年金沢大学大学院自然科学研究科人間?機械科学専攻博士前期課程 首席修了2011年アイ?オー?データ機器 入社2021年金沢大学大学院自然科学研究科機械科学専攻博士後期課程 修了2023年アイ?オー?データ機器 退社2023年石川県立看護大学受賞2022年看護理工学会論文奨励賞2022年日本機械学会女性未来賞2021年看護理工学会論文奨励賞※受賞時の名字は「村上」である. 論文●「多重課題条件下の歩行中において課題の種類と加齢が腰からみた肩回転運動に与える影響」『看護理工学会, 8』(pp. 230-241)2021年●「Effects of task type and aging on translational body movements while walking under multiple task conditions」『Journal of Nursing Science and Engineering, 8』(pp.1-10)2020年※投稿時の名字は「村上」である. 講演?口頭発表等日本機械学会 ロボティクス?メカトロニクス講演会2020 in Kanazawa 「第1報および2報_多重課題条件下の歩行における課題が歩行に与える影響」, 学会発表, 2020年5月感覚や経験など可視化し、工学からのアプローチで医療?看護のサポートを目指す研究の概要 歩行障害を持った人の歩行、高齢者の歩行、疲労時の歩行など、さまざまな歩行を計測し、解析を行っている。 たとえば、歩行障害はさまざまな種類があるが、痛みやしびれが現れる箇所が似ているため、患者の主観的な訴えだけでは歩行障害の原因を判断しづらい問題があった。健常者および歩行障害者の歩行動作を動画で撮影し(図1)、歩行障害毎の歩行を解析した。その結果、歩行障害別に違いがみられることがわかった。したがって、歩行動作を解析することで歩行障害の原因を推察することの可能性を見出すことができた。 高齢者の歩行計測では、転倒リスクに注目し、どのようなケースで転倒しやすくなるのかという点についてセンサーを用いて調べた(図2)。日常生活においては歩行以外の動作も歩行と同時に行う。この動作が高齢者の歩行に影響するかを若年者の歩行と比較した。その結果、高齢者の姿勢制御が、視覚に依存し、音声刺激に基づく経路変更は負荷が大きいことを明らかにした。 疲労時の歩行計測では、歩行時、足先に力を入れて地面を蹴ることで、前に進む推進力を得ることから、若年健常者の疲労前と疲労後の足先の接地面の変化について足裏の接地面を調べる装置を使って調べた(図3)。疲労後では利き足に変化がみられることがわかった。 このように、歩行を様々な方法で調べることで、医療従事者の経験から得られた情報を数値化している。それが今後の医療?看護のサポートになることを目指す。佐能 唯 講師
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