SEEDS | 17研究の内容(大学院向け) 視床下部の神経活動は多ニューロン発射活動(Multi-unit activity: MUA)記録法で測定します。留置電極により覚醒下の動物からリアルタイムで記録できるため様々なメリットがありますが、同時に手技的な困難さを伴います。まずは、より確実で安定した記録のできる手法の開発を試みています。生殖中枢/視床下部/電気生理学/MUA/GnRHパルスジェネレーターToru Ichimarucontact: ichimart@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/read0133896宇宙兄弟という漫画の主人公、南波六太の「本気の失敗には価値がある」という言葉が好きです。大学では、皆さんも失敗を恐れず、本気で何かに取り組んでみてください。メッセージ研究分野神経内分泌/動物行動学所属学会日本生理学会/日本繁殖生物学会/日本獣医学会学歴?経歴1997年東京大学農学部獣医学科 卒業2001年東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程 卒業2001年University of Michigan ポスドク研究員2003年東京大学 学術研究支援員2007年福井大学 助教2015年石川県立看護大学 講師2019年石川県立看護大学 准教授論文●Exposure to ram wool stimulates gonadotropin-releasing hormone pulse generator activity in the female goat, Animal Reproduction Science 106:361-368, 2008●Central cholecystokinin-octapeptide accelerates the activity of the hypothalamic gonadotropinreleasing hormone pulse generator in goats, The Journal of Neuroendocrinology 15:80-86, 2003●A possible role of NPY as a mediator of undernutrition to the hypothalamic GnRH pulse generator in goats, Endocrinology 142:2489-2498, 2001競争的資金等の研究課題障害者による粗飼料生産での機械利用とヒツジ生産を支援する技術開発(障害者による飼育がヒツジに与えるストレスの評価), 農研機構 生物系特定産業技術研究支援センター?イノベーション創出強化研究推進事業, 2021-2023年度社会貢献活動金城大学 医療健康学部 病理学/生理学実習非常勤講師動物の行動をていねいに観察し、その背景にあるメカニズムと意義を探る研究の概要 ヒトや動物の生殖機能は性ホルモンによって調節されていますが、その分泌は視床下部-下垂体-性腺軸(HPG axis)の支配下にあります。例えば、過度のダイエットやストレスで生理が止まる?遅れるなどの現象は、視床下部が体内?体外の情報を処理して、種の存続より個体の維持を優先すべきと判断し、生殖器系のはたらきを抑制させるために起こると考えられています。このとき、性腺への指令はLHというホルモンのパルス状分泌を介してなされます。すなわち、視床下部にあってパルスのリズムを決めている神経機構こそが生殖中枢であると考えられます。本研究では、視床下部の神経活動を直接モニターする手法を開発し、リズム発生のしくみや生殖機能に影響する因子を探索することを目指しています。市丸 徹 准教授
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