研究者情報 研究シーズ集
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24 | SEEDS研究の内容(大学院向け)心不全増悪を看護師がより早期に発見するための手立てを探る 心不全管理における看護師の役割は、問診と身体所見観察による心不全増悪の予防?早期発見と生活の自己管理指導であるが、特に高齢者は、自己管理を継続することや明確な自覚症状を聞き取ることが難しいことも多く、さらなる対策が必要である。その対策の1つとして、看護師が行う身体所見観察にポケットエコーを使用することに着眼している。今までも血圧計やパルスオキシメーターで身体内部の情報を得てきたように、ポケットエコーで身体内の水分量を直接そして簡単に観察することができないか。慢性心不全患者の生活の質を低下させないために、可能な限り早期に治療につなげられる手立てを探っている。循環器看護/基礎看護技術Yukie Tamuracontact: tamura@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/read0074569https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000051346.html看護学を学ぶ上で学問や研究はとても大切です。それと同等に皆さん自身が患者さんと関わり、見て、聞いて、感じて学ぶことも大変大きな学びになります。人との関わりを通して「人って様々で興味深い!人と関わるっておもしろい!看護って奥深い!」こんな看護の面白みを共に学びたいと思います。メッセージ研究分野循環器看護/基礎看護技術所属学会日本循環器看護学会/日本看護技術学会日本看護教育学学会 など学歴?経歴2015年石川県立看護大学看護学研究科博士前期課程修了 修士(看護学)2001年石川県立看護大学 助手2010年石川県立看護大学 助教2021年石川県立看護大学 講師受賞第16回日本循環器看護学会学術集会 優秀演題賞論文●看護師のための携帯型エコーを使用した下大静脈径測定の教育プログラム評価(2022)日本循環器看護学会誌17(2), 47-54●Feasibility of Using Pocket-Sized Ultrasound Devicet Measure the Inferior Vena CavaDiameter of Patients With Heart Failure in the Community Setting: A Pilot Study. (2020) J Prim Care Community Health.講演?口頭発表等●看護師による携帯型エコーを使用した下大静脈径測定の教育プログラム評価, 第16回日本循環器看護学会学術集会(2019)●看護学生によるポケット型エコーを使用した下大静脈径測定の教育プログラム評価, 第15回日本循環器看護学会学術集会(2018)競争的資金等の研究課題●在宅療養患者への看護師による携帯エコーを使用した心不全評価の臨床的意義(2020-2024)科学研究費助成金 基盤(C)●慢性心不全の増悪時に看護師が携帯エコーで内頸静脈を測定することの有用性(2024-2027)科学研究費助成金 基盤(C)社会貢献活動●北陸大学薬学部 非常勤講師(2023年-)●第39回日本看護科学学会 実行委員心不全パンデミック! 75歳以上になると循環器疾患の死亡数はがんより多い研究の概要 近年、心不全を含む循環器疾患での死亡数は増加し続けており、75歳以上においてはがんよりも多い。これは慢性心不全の罹患率が年齢と共に上がるためである。高齢化が進む我が国において2025年には高齢の心不全患者数が大幅に増加し「心不全パンデミック」に陥ると推測されている。慢性心不全は、一度発症すると根治は期待できず、病状の増悪を繰り返すことで生活の質と生命予後が悪化するため、まず心不全にならないこと、罹患しても急性増悪を繰り返さないことが重要となる。 心不全予防には、運動?食事など生活習慣の改善、症状マネジメント、看護師による観察などが重要であるが、高齢化する心不全患者の発症?増悪予防においては課題が多い。その課題と方策について探っている。田村 幸恵 講師

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