26 | SEEDS研究の内容(大学院向け)希少?難治性疾患を生きる当事者同士のつながり、世界に入り込む 当事者に適した支援プログラムの構築を目指し、ミックスメソッドの手法を用いて、さまざまな病期におけるピアサポートの現状を明らかにする。希少?難治性疾患を生きる当事者のナラティブに心を寄せ、ナラティブに基づくピアサポートの支援プログラムを考え、試行、構築へとつなげる。支援プログラムを発信しピアのマッチング、支え合いの相互行動を指揮するプラットホームを体系化し、ピアサポートを促進し、当事者にとってより豊かなプログラムを目指す。希少?難治性疾患/ALS/ピアサポート/当事者/自助?互助Kiyoka Setocontact: setokiyo@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/setokiyo臨床時代は神経難病や血液のがん、小児慢性特定疾病とたたかう患者さんと多く出会いました。患者さんが研究の種を植えてくれたので、私は花を咲かせ、種子が実るように、着実に育てたいと思っています。希少?難治性疾患だからこその体験の奥深さを一緒に語りましょう。メッセージ研究分野基礎看護学/高齢者看護学および地域看護学関連所属学会日本看護科学学会/日本難病看護学会看護実践学会/日本看護管理学会学歴?経歴2019年石川県立看護大学看護学研究科博士前期課程修了 修士(看護学)2015年石川県立看護大学 助手2017年石川県立看護大学 助教論文教育施設内における高頻度接触面の汚染度実態と次亜塩素酸水の拭き取りの影響.石川看護雑誌,第19巻, 41-49, 2021.講演?口頭発表等●南加賀保健福祉センター令和5年度小児慢性特定疾病児童等保護者交流会「当事者同士のピアサポートを広げるために」講演(2023.12)●石川中央保健福祉センター小児慢性特定疾病のお子さんの保護者交流会「慢性疾患をもつ子どもの子育ての工夫」講演(2023.11)●ALS療養者が意思疎通を図り続けるためにとった訪問看護師による支援の実態.第13回看護実践学会学術集会(2019)●ALS療養者が意思疎通を図り続けるためにとった主介護者の行動とその背景要因.第24回日本難病看護学会学術集会(2019)競争的資金等の研究課題ALS患者?家族のピアサポートの様相とピアサポート支援プログラムの試案の作成(2020-2023年)科研費若手研究社会貢献活動●かほく市介護認定審査会委員●宝達志水町介護認定審査会委員希少?難治性疾患を生きている当事者に心を寄せて、ピアサポートの支援を豊かにしたい研究の概要 近年、従来の専門的援助では不足した部分を、ピア(仲間)による支えあいの力で補完する社会参加の一手段として、ピアサポートの関心は高まっている。希少?難治性疾患の当事者間においても、病を生きるありのままの姿を示すことや、体験に基づく物語を語りなおすことを中心とした「支えあいの相互行動」が、患者交流会やSNS等を通じて行われている。当事者たちの現在までおよび未来に役立つ支援として「ピアサポート」は強化が必要である。 そこで、ピアサポートを通じてどのような病いの物語が語られ、物語られる内容によって相互に何を得ているのか、その様相に適応したピアサポートの支援プログラムを構築することに取り組んでいる。希少?難治性疾患を生きるうえで当事者たちの心理的状態を良好にし、療養生活の質を向上させ、希少?難治性疾患におけるピアサポートを促進させることを目指す。瀬戸 清華 助教
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