28 | SEEDS研究の内容(大学院向け)ピア(仲間)の力を活かした啓発活動と研究を 本学の助産師養成課程(助産看護学分野)では、妊娠中の女性やカップルに健康教育を行っている。プレコンセプションケアの考え方を取り入れ、妊婦やパートナーにとどまらず、妊娠前の女性やカップルなど若い世代の男女への健康教育や情報を発信し、研究を行う。まずは、若い世代に近い存在であるピア(仲間)として、大学生や大学院生が共同するチームで取り組んでいく予定である。妊娠前/健康教育/プレコンセプションケア/プログラム開発Yukie Kamedacontact: ykameda@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/read0192830図.生涯のうちのプレコンセプションケアの位置づけ(https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/preconception/ より引用)現代は結婚、妊娠、出産、子育てに対する価値観はさまざまであり、ライフプランの選択肢も人それぞれです。助産師の立場から妊娠を見据えてと書いてはいますが、妊娠を選択しないことをネガティブにとらえているわけではありません。ただ、知らないことで選択肢が狭まらないようにと願っています。みなさんも自分ごととして考え、一緒に啓発活動や研究に取り組んでいきませんか。メッセージ研究分野助産学/母性看護学/思春期学所属学会日本助産学会/日本看護科学学会日本母性衛生学会/日本思春期学会学歴?経歴1999年金沢大学医学部保健学科 助手2007年金沢大学医学系研究科 助教2008年金沢大学大学院修了 博士(保健学)2011年金沢大学医薬保健研究域保健学系准教授2017年石川県立看護大学 教授受賞2007年日本助産学会 学術賞論文●出産クラス前後の妊婦の自己効力感と指導者のProfessional Learning Climate との関連性, 金沢大学つるま保健学会誌, 34(2), 115-122, 2010年●Development of an empowerment scale for pregnant women, Journal of the Tsuruma Health Society, Yukie KAMEDA et al., 32(1), 39-48, 2008年書籍等出版物今日の助産 マタニティサイクルの助産診断?実践過程 改訂第4版, 第2章 妊娠期の助産診断 妊娠時合併症を有する診断, 南江堂(東京), 全1216頁(p. 244-279), 2019年講演?口頭発表等男性不妊症と予防行動に対する男女大学生の知識と関心, 第39回 日本思春期学会総会?学術集会, 2020年競争的資金等の研究課題妊婦のエンパワメント尺度の臨床適用と検証. :基盤研究(C), 2009-2012年度 などあなたはプレコンセプションケアを知っていますか?-将来の妊娠を見据えた自分たちの心身の健康管理-研究の概要 プレコンセプションケアは、妊娠前の適切な時期に適切な知識?情報を女性やカップルを対象に提供し、将来の妊娠のためのヘルスケアを行うことである。ヘルスリテラシーを高めることで妊娠前の女性やカップルの健康状態を改善することが可能となる。その結果、より安全で安心な妊娠?出産が可能となり、結婚、妊娠、出産、子育て、仕事を含めた将来のライフデザインを描けるようになる。プレコンセプションケアとして取り組むべき領域は、栄養状態、不妊、ワクチンで予防できる疾患、性感染症、若年妊娠や望まない妊娠、喫煙など多岐にわたる。しかし、このような情報を知る機会はほとんどありません。そのため、これまで行ってきた出産前教育の研究を踏まえ、啓発プログラムの開発や効果検証の研究に取り組む。亀田 幸枝 教授
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