SEEDS | 29研究の内容(大学院向け) これまで、医療施設での周産期のグリーフケアの実態、医療施設、行政、セルフヘルプグループでの周産期の死を経験した母親?家族に対する退院後のグリーフケアと地域連携の現状?課題を調査し、そこから「退院後の周産期のグリーフケアと地域連携システムモデル試案」(右図)を提案した。その後、モデル試案の妥当性を支援関係者に対してデルファイ法を用いて検討した結果、高い同意率を得ている。モデル実現に向けて、医療施設?行政?自助グループと連携し、活動しつつ(右記ちらし参照)、現在、セルフヘルプグループの運営方法、オンラインサポートグループミーティングの実態を調査し、効果的活用方法を考察し、遺族にとって悲嘆プロセスを再生への道と促進できるものとなるよう、運営方法(システム化)の検討を行っている。グリーフケア/流産?死産?新生児死亡/セルフヘルプグループ支援Masayo Yonedacontact: masayo@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/read0063361健康に生まれてくるということはあたりまえのことではありません。奇跡の連続といってもよいかもしれません。生命の神秘について、生命の誕生のすばらしさについて学び、生と死について一緒に深く考えてみませんか?メッセージ退院後の周産期のグリーフケアと地域連携システムモデル試案自助グループ支援?当事者支援ペリネイタル?グリーフケア検討会(年2回 7月?2月開催)研究分野ライフサイエンス/臨床看護学母性?助産?女性看護学所属学会日本助産学会/日本母性衛生学会/日本母性看護学会/小児保健学会/日本子ども虐待防止学会/日本女性医学学会/日本ヒューマン?ケア心理学会/日本看護科学学会/日本看護研究学会/日本看護学教育学会/看護理工学会/看護実践学会学歴?経歴2000年石川県立看護大学基礎看護学講座 助手2002年石川県立看護大学母性?小児看護学講座 助手2005年金沢大学大学院医学系研究科博士前期課程保健学専攻看護学領域母子看護学分野 修了2007年石川県立看護大学母性?小児看護学講座 助教2008年石川県立看護大学母性?小児看護学講座 講師2015年金沢大学大学院医学系研究科博士後期課程保健学専攻看護学領域母子看護学分野 修了2017年石川県立看護大学母性?小児看護学講座准教授2020年石川県立看護大学母性?小児看護学講座教授受賞2023年日本助産師会会長表彰論文●Yoneda M, S, Shimada Y: Validity on tentative design of a regional cooperation system for postdischarge perinatal grief care by the Delphi method. Journal of the Tsuruma Health Science Society Kanazawa University 40(1): 21-33, 2016●Yoneda M, Yoshida K, Soyama S, Shimada Y: Post-discharge perinatal grief care and tentative design of a regional cooperation system. Journal of the Tsuruma Health Science Society Kanazawa University 39(2): 103-112, 2016●米田昌代,吉田和枝,曽山小織,島田啓子:周産期のグリーフケアに取り組む看護者の原動力.石川看護雑誌, 12, 35-44, 2015.3書籍等出版物●エンドオブライフケア看護学-基礎と実践-.小笠原知枝(編著),ヌーヴェルヒロカワ●第12章エンドオブライフケアの事例,223-226,2018米田昌代,桶作梢(分担執筆)講演?口頭発表等講演:石川県内保健福祉センター,日本助産師会等:「周産期のグリーフケア」競争的資金等の研究課題科研費基盤(C) 周産期喪失に対するオンラインサポートグループミーティングシステムの開発と評価(令和2?5年)社会貢献活動●天使のゆりかご(自助グループ支援)●ペリネイタル?グリーフケア検討会(左記参照)あかちゃんを亡くされた方を地域全体で支えるシステム作りをめざして研究の概要 グリーフケアとは様々な喪失体験にうちひしがれる人々に寄り添い続けることによって、哀しみを抱えながらも、その人らしく生きられるように支援することである。特に周産期喪失は、通常は喜びにあふれた妊娠?出産の中で起こる突然の出来事であり、母親にとって深い傷を負う体験となる。このような体験は、悲嘆が複雑化しやすく、様々な健康障害を生じたり、残されたきょうだいに対する不適当な養育につながることが明らかになっている。このようなことから、周産期喪失時にグリーフケアは重要である。本研究では多職種、セルフヘルプグループが連携してその対象にあったグリーフケアを提供できるように、また、対象自らが選択できるような施設から地域へのシステム作りをめざしている。米田 昌代 教授
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