研究者情報 研究シーズ集
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32 | SEEDS研究の内容(大学院向け)産後の女性の体の回復を考える-女性の将来的な健康も見据えた支援を目指して- 女性は解剖学的に男性より尿道が短いことにより尿失禁を起こしやすいと言われており、尿失禁を有する女性の約半数が、知られたくないなどの社会的ストレスを感じているとの報告もあることから、尿失禁がQOLに影響するという点では女性の生涯を通して考えなくてはならない問題です。女性の尿失禁の関連要因として出産経験があり、実際に妊娠中から産後にかけて1度でも尿失禁症状のある者は5?6割であるといわれており、また、妊娠?産褥期に尿失禁のあった者はなかった者に比べて後に高率に尿失禁を発症していたという報告もあります。そのため、妊産褥婦に関わる看護職は尿失禁予防?緩和に対する認識を高め、女性の将来的な尿失禁の問題も見据えて介入を行っていくことが重要であり、そのための支援?介入方法について研究を行っています。尿失禁/女性/産後Mika Kawaicontact: mikawai@ishikawa-nu.ac.jp母性看護学は妊娠、出産、育児を中心に、女性の一生を通じた支援を学びます。女性にとってどのような支援が必要なのか、一緒に考えてみませんか。みなさんと一緒に学べることを楽しみにしています。メッセージ研究分野女性看護学/母性看護学所属学会日本母性衛生学会学歴?経歴2005年独立行政法人国立病院機構 京都医療センター 助産師2011年独立行政法人国立病院機構 金沢医療センター 助産師2018年石川県立看護大学 助手2021年石川県立看護大学大学院看護学研究科修士(看護学)2021年石川県立看護大学 助教論文河合美佳,西村真実子,井上ひとみ,田屋明子.子どもを虐待する母親に抱く感情と態度-地域住民への効果的な啓発のあり方を考える-.小児保健いしかわ.2005,17,10-15.講演?口頭発表等河合美佳,濵耕子.尿失禁予防?緩和に関する看護職の認識と妊産褥婦への保健指導の実態.第62回日本母性衛生学会総会?学術集会,2021,10.社会貢献活動●ペリネイタル?グリーフケア検討会●新人助産師のスキルアップ支援産後の女性の体の回復を考える-女性の将来的な健康も見据えた支援を目指して-研究の概要 女性の尿失禁は妊娠や出産が契機となり発症することが多く、加齢とともに増加し、尿失禁がQOLに影響するという点では妊娠や出産時に関わる看護者は女性の生涯を通して考えなくてはならない問題です。産後に尿失禁が起こる原因としては、骨盤底筋群の弛緩により膀胱が下降することや、妊娠中に子宮と癒着した膀胱が産後の子宮復古とともに下降するためと考えられていることから、膀胱底の位置と骨盤底筋群の筋力の変化をエコーを用いて測定し尿失禁との関連を検証することを検討しています。河合 美佳 助教

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