研究者情報 研究シーズ集
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36 | SEEDS研究の内容(大学院向け)多様化する現代社会に合った子ども虐待予防支援システムを探る 近年COVID-19の蔓延により母親が対面での支援に不安を抱き、参加を控えることがあった。そこで、対面では無い支援ができないかと考えた。母親が児の理解にもつながるような子育て支援を多様化する現代社会に合った支援システムを探る。子育て支援/育児困難/母親/完全主義child-rearing support, feelings of difficulty with child rearing,mothers, perfectionismAki Gotocontact: agotou@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/gotoaki子どもが健やかに成長するには、親も健やかであることが大切です。はじめから完璧な親や子どもなどは存在しません。“これで大丈夫”という気持ちで子育てにベストを尽くせるお手伝いをしていきたいと思っています。子どもと家族を支える看護を一緒に学びましょう。メッセージ研究分野小児看護学所属学会日本子ども虐待防止学会日本乳幼児精神保健学会/日本小児保健協会日本小児看護学会/日本看護科学学会学歴?経歴2010年石川県立看護大学大学院看護学研究学科 修士(看護学)2019年石川県立看護大学 臨時助教2020年石川県立看護大学 助教論文母親の完全主義と育児困難?エンパワーされた経験の関係 石川看護雑誌, 2020年, 第17巻, p. 23-36. 講演?口頭発表等●母親の完全主義とエンパワーされた経験の関係-完全主義がもたらす育児困難に注目して- 日本子ども虐待防止学会第16回学術集会くまもと大会プログラム抄録集, 2010年, p. 174. ●理想の母親像との不一致感と自己注目傾向が育児不安に及ぼす影響 第19回石川県小児保健学会小児保健いしかわ, 2009年, 21巻, p. 6. 社会貢献活動●かほく市子育て支援事業 幼児NP(Nobody's Perfect/完璧な親なんていない)親支援プログラム ファシリテーター(2020?)●石川県立看護大学同窓会「さくら会」副会長(2022?)子ども虐待防止をめざした育児困難を抱える母親支援を探る研究の概要 育児困難の要因の一つとして、子育て支援場面においてよく指摘される、母親の「子育てをきちんとしたい」という強い思いや「頑張りすぎる」傾向の「完全主義」に注目した。子どもが日常生活でうまくできないことがあると、母親はすぐに苛立ち、子どもをたたいたり叱責をしてしまう。母親は子どもに八つ当たりをした自分を反省し、落ち込んでしまう。子どもは失敗を繰り返すため、母親は子どもに苛立ってしまう。この過程の繰り返しにより母親は疲弊し、育児困難感が強まっていく。育児困難に陥る要因の一つに完全主義が関係しているのではないかと考える。完全主義傾向の強い母親が育児困難に陥っているときに、「不完全な自分でもよい」と感じることは育児困難感が軽減されるのではないかと考える。このためには、母親自身が他者に認められ、エンパワーされることが重要であると考える。完全主義の強い母親が、過度に完璧さを求めることを軽減すためには、「安心できる関係性」を築いた人たちの存在と、その人たちとの間での「エンパワーされた経験」が必要であると考えた。支援者と母親同士の信頼関係を育てながら、仲間づくりの場の中で継続的に母親を支援していく方法を探る。後藤 亜希 助教

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