研究者情報 研究シーズ集
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SEEDS | 39研究の内容(大学院向け)ポイントオブケア?ナーシングで新たな価値を創造する ポイントオブケア?ナーシングとは、看護師が臨床現場で簡便かつ非侵襲的に検査を行い、その場で得られた結果に基づいてケアを提供する看護のことです。また、患者自身による自己検査とその結果に基づくセルフケアのシステムも含まれます。スキンブロッティングは、ポイントオブケア?ナーシングを実現するために最適な技術であると考えられます。これを実現するためには、何を(バイオマーカー)何のために(疾患、症状など)検査するのか、その精度は如何ほどかを明らかにする必要があります。また、検査結果を電子化するデバイス、異変をAIで早期発見?予測し医療者に通報するシステム構築にも取り組みます。そのために、看護理工学のフレームワークを用い、また実用化と普及を視野に入れて産学連携を図っていきます。看護理工学/スキンケア/創傷治癒/慢性脱水/スキンブロッティングTakeo Minematsucontact: takeom@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/skincare看護大学を卒業した後の進路には、看護師だけではなく、看護学研究者という選択肢もあります。私たちと一緒に、少子高齢化社会を支える看護の未来を創っていきませんか。メッセージ研究分野看護理工学/創傷看護学/スキンケアサイエンス所属学会看護理工学会/日本創傷治癒学会/日本褥瘡学会日本創傷?オストミー?失禁管理学会 など学歴?経歴1995年筑波大学第二学群農林学類 卒業1995年青年海外協力隊(ネパール,家畜飼育)2004年筑波大学大学院農学研究科修了 博士(農学)2017年東京大学大学院医学系研究科 特任准教授2022年石川県立看護大学 教授受賞2014年Rye Pharmaceuticals New Investigator Award (Science & Technology)2019年APETNA2019 Best Moderated Poster Award論文●Skin blotting: A noninvasive technique for evaluating physiological skin status. Adv Skin Wound Care. 2014.●Risk scoring tool for forearm skin tears in Japanese older adults: A prospective cohort study. J Tissue Viabil. 2021.書籍等出版物●看護学における生物学的アプローチ. 看護理工学, 東京大学出版会, 2015. ●スキンブロッティング:新たなポイントオブケア?スキンアセスメント手法. 進化する皮膚研究最前線. エヌ?ティー?エス, 2021. 講演?口頭発表等●スキンケアの基礎:皮膚バリア機能を中心に. 第52回日本創傷治癒学会●Genetic polymorphism of heme oxygenase 1 is associated with skin fragility in Japanese obese people. World Union of Wound Healing Societies 2020競争的資金等の研究課題●科研費基盤研究(A)スマートホームケア構想実現のための非侵襲的リキッドアセスメント技術の開発●科研費挑戦的研究(開拓) 滲出液エクソソームマーカー検出人工リポソームの開発:創傷アセスメントの新たな展開社会貢献活動●看護理工学会 常任理事, 編集委員長●日本創傷治癒学会 理事 など皮膚を診みる、皮膚を護まもる、そして皮膚から看みる研究の概要 身体の最外層をおおう皮膚は、体内と体外を隔て生命を維持する臓器である。皮膚には痛みやかゆみを感じる神経末端が多く分布しており、かつ人目にさらされる部位であるため、皮膚の異常は生命を脅かすのみならず、強い不快感により生活の質(QOL)を低下させ、さらにボディイメージなどを損なうことで精神的苦痛にも直結する。そこで、誰もが簡便に、出血や痛みもなく皮膚の状態を検査できる技術として「スキンブロッティング法」を開発してきました。これまでスキンブロッティング法を用いた皮膚バリア機能の評価、褥じょくそう瘡(いわゆる「床ずれ」)の発生予測、かゆみの同定などに応用してきました。さらに近年は、スキンブロッティングを全身状態の評価にも応用できることを見出し、慢性脱水や栄養状態の評価法の開発にも取り組んでいます。峰松 健夫 教授

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