研究者情報 研究シーズ集
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42 | SEEDS研究の内容(大学院向け) 集中治療領域において患者は生命の危機的状態にあり、侵襲的治療により人としての尊厳が脅かされやすい。看護師は患者の生命や安全、尊厳を守りその人らしさや生活の再構築に向けて支援している。看護ケアは治療効果を高めるための環境調整や潜在化?顕在化する患者のニーズを捉え支援していくこと、さらにせん妄をはじめとする合併症予防、代理意思決定支援、終末期ケアなど多岐に渡る。これらの支援におけるジレンマや患者の早期回復のための問いを研究に発展させ、より良い看護ケアを探る。クリティカルケア/人工呼吸器装着患者/集中治療後症候群Yoko Onishicontact: onishi@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/yoko-onishi図.集中治療後症候群看護職の活躍の場は病院だけでなく地域、企業とどんどん広がっています。看護職を志す皆さんと共に考えたり、悩んだりしながら学び成長し合える教育を心がけています。石川県立看護大学でお待ちしています!メッセージ研究分野クリティカルケア看護所属学会日本看護科学学会/日本クリティカルケア看護学会/日本救急看護学会/日本創傷?オストミー?失禁管理学会学歴?経歴2022年杏林大学看護学研究科看護学専攻博士後期課程 修了2013年石川県立看護大学 助手2018年石川県立看護大学 助教2022年石川県立看護大学 講師論文●クリティカルケア領域における浅い鎮静深度で管理されている人工呼吸器装着患者に対する看護実践の特徴. 日本看護科学学会誌, 39, 2019. ●クリティカルケア領域における人工呼吸器装着患者の鎮静深度と体験の関連性-2006?2016年海外文献による検討-. 石川看護雑誌, 14巻, 2017. 書籍等出版物状況が理解できないことにより転倒?転落の危険が潜む患者, Emergency Care, メディカ出版, 2013. 講演?口頭発表等●クリティカルケア領域における浅い鎮静深度で管理されている人工呼吸器装着患者に対する看護実践の特徴, 第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会(2018)●特定行為を実践する看護師の活動実態に関する文献的考察, 第19回日本救急看護学会学術集会(2017)競争的資金等の研究課題●科学研究費助成事業 若手研究「浅い鎮静管理における人工呼吸器装着患者の固有反応の理解とその習得方法に関する研究」(2022?2024年)●科学研究費助成事業 若手研究「浅い鎮静管理下にある人工呼吸器装着患者の同意的行為を引き出すアプローチの解明」(2018?2021年)社会貢献活動●第19回日本救急看護学会学術集会 実行委員●第39回日本看護科学学会 実行委員●第27回日本老年看護学会 実行委員●クリティカルケア看護師のための事例検討会(2022年?)●第12回ILFJ学術集会実行委員●第12回看護理工学会学術集会ICUに入室する患者に起こる諸問題を解決するための看護実践を探究する研究の概要 ICUに入室する患者は意識障害や生命維持装置の装着によりコミュニケーションが困難となりやすい。しかし、患者は死への恐怖、孤独、不安を感じたり、呼吸困難感や痛みを感じたりと様々な苦痛を抱えている。ICU看護師もまた、患者の苦痛やニーズの捉えづらさを感じている。このような声にならない患者の訴えを看護師がどのように捉え、苦痛緩和や回復に向けて援助しているのか、未だ言語化されていない熟練看護師の実践や思考過程などの暗黙知の解明に取り組んでいる。 また、現在ICU(Intensive Care Unit)に入室する患者は身体?認知?精神障害である集中治療後症候群(Post Intensive Care Syndrome: PICS)により社会復帰困難となったり、退院後の生活の質が低下したりすることが問題視されている。PICSを発症しやすい人工呼吸器装着患者がICU入室中にどのような体験をしているのか、そして患者に対し看護師はどのような看護を実践しているのかについて研究を行っている。これらをもとに看護師向けの教育プログラムの開発に取り組んでいる。大西 陽子 講師

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