SEEDS | 47研究の内容(大学院向け)認知症高齢者のQOLを様々な視点からとらえ、看護実践につなげていこう 2000年に介護保険制度により介護の社会化が進んだ一方、胃瘻等の技術により、高齢者を重度化した状態で介護する期間が長くなっている。特に認知症高齢者は、徐々に認知機能の低下が進み、やがて言語でのコミュニケーションが難しい段階に進む。言葉を発することができなくなった重度認知症高齢者が最期まで尊厳のある生を全うするためには、日々の生活にかかわる者が認知症高齢者からの微弱なサインを見逃さずにキャッチする必要がある。我々はどんなサインをキャッチできるだろうか?そしてそのサインを日々の看護に活かしていくには?認知症高齢者に最後まで笑顔で過ごしていただくことにつながる研究にしていきたい。認知症高齢者/QOL/意思決定支援/まちづくりJunko Nakamichicontact: junkoh@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/yudusato13メッセージ傍にいること、話すこと、触れ合うことを大切にして、いっしょに認知症高齢者の笑顔の花を咲かせませんか。研究分野老年看護学/認知症ケア所属学会日本看護科学学会/日本老年看護学会日本認知症ケア学会/日本認知症予防学会日本エンドオブケア学会学歴?経歴●富山医科薬科大学大学院医学系研究科 修士(看護学)●石川県立看護大学大学院 博士(看護学)受賞日本認知症ケア学会 平成29年度石崎賞「認知症高齢者とケアスタッフが共に笑いヨガを行った際の唾液アミラーゼ活性値の変化」(代表)論文●Effects of laughter yoga on oral motor and swallowing function of older adults with dementia. Nursing and Family Health Care2019; vol2.●地域での介護予防活動における認知症予防ボランティアの成長過程. 日本認知症ケア学会誌. 2011;10巻3号:315-324. 書籍等出版物最新老年看護学第4版2023年版, 日本看護協会出版会(7章分担執筆)講演?口頭発表等●羽咋市:認知症キャラバン?メイト研修会(2022)●白山市:ボランティアのつどい(2022)●「地域における認知症予防」●かほく市:認知症サポーターフォローアップ研修(2023)競争的資金等の研究課題●挑戦的萌芽研究「ストレス軽減および認知機能の維持向上を意図した笑いヨガプログラムの開発」(代表;2015-2018年)●基盤研究(C)「高齢腎不全患者におけるフレイル改善への介入効果と腎代替療法への影響についての調査」(分担;2021-2023年)社会貢献活動●日本老年看護学会災害支援検討委員会 委員●日本認知症予防学会 代議員●石川県介護支援専門員実務研修 企画委員●かほく市地域密着型サービス運営協議会 委員長●津幡町介護予防メイト養成講座 講師忘れても あなたはあなたのままでいい!最期まで笑顔で過ごしていただくためには?研究の概要 平成15年に、「いちご会;認知症予防ボランティアの会」を立ち上げた。住民ボランティアの方と認知症の普及啓発や、グループホーム訪問や老人福祉センターでの認知症予防活動などを行い、その効果やプロセスについて研究してきた。(下図) また、グループホームにおいて笑いヨガを実施して、その効果を前頭前野の脳血流量測定や唾液アミラーゼ測定、口腔機能の測定等で行ってきた。 グループホームにおいては笑いヨガだけでなく、レクリエーションを実施して意思決定の実態調査なども実施した。 現在は、表情や心拍計測による重度認知症高齢者のコンフォート状態の計測を試みている。中道 淳子 准教授
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