研究者情報 研究シーズ集
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50 | SEEDS研究の内容(大学院向け) 某貨物運送業の健康リスク診断の特徴は、所属や職種によって健康課題や生活習慣が大きく偏っていた。健康リスク診断を行うことは、集団全体(事業所)としての脳血管障害や心筋梗塞のリスクを把握するのに、公衆衛生上、非常に重要な指標であるとともに、わかりやすい指標であり、循環器疾患予防の啓発にも有用と考える。また、今後の課題は、年齢や性別を調整しての複数の事業所間での比較と介入プログラムの作成を考えている。道路貨物運送/健康リスク診断/保健行動freight transport, health risk diagnosis, health behaviorHisae Tsukadacontact: htsukada@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/read0153814乗務員?夜間乗務員 生活習慣スコア(pt)集団レベルでの脳卒中や心筋梗塞、生活習慣の健康リスク診断を行うことにより、職場特有の健康課題を見える化できます。持続可能な健康経営戦略の具現化に向けた資料になるのではないかと思っています。メッセージ参考資料:国土交通省自動車局(HPより)研究分野公衆衛生看護学/地域看護学所属学会日本公衆衛生学会/日本公衆衛生看護学会日本地域看護学会/日本産業衛生学会日本看護科学学会 など学歴?経歴2002年金沢大学医学系研究科保健学専攻修士課程 修了(保健学修士)2007年金沢大学医学系研究科保健学専攻博士後期課程 修了(保健学博士)2010年石川県立看護大学准教授2016年横浜市立大学客員研究員(-2017年)2019年石川県立看護大学教授2022年石川県立看護大学附属地域ケア総合センター長(兼務)2010年以前  石川県職員として, 石川県庁?保健所等に技術吏員として長く勤務論文●人事労務担当者との連携における産業看護職の役割の構造-メンタルヘルス不調者の職場復帰支援を通して-.室野奈緒子,石垣和子,塚田久恵,阿部智恵子,. 石川看護雑誌,18,13-24,2021.●訪問看護における超重症児を療育する母親支援-看護師が母親の状況を察した経験に着目して-.阿川啓子,石垣和子,塚田久恵,日本文化看護学会誌,10(1),34-42,2018 など書籍等出版物地域看護アセスメントガイドーアセスメント?計画?評価のすすめかたー. 医歯薬出版(株), 2007(分担執筆)講演?口頭発表等●道路貨物運送業における健康リスク診断の試み-現状と課題-.塚田久恵 他,. 第78回日本公衆衛生学会総会,. 2019.●Mothers of congenital heart disease infants: Experience from delivery to discharge from hospital influenced by attitude of medical staff. Agawa K, Ishigaki K, Tsukada H, 26th East Asian Forum of Nursing Scholars, 2023. など競争的資金等の研究課題メンタル不調者の職場復帰支援における産業看護職の人事労務担当者との連携の影響因子:学術研究助成基金助成金基盤研究(C)2021-2023, 研究分担者.  など社会貢献活動●石川県新任保健師研修会講師●石川県障害者施設推進協議会委員●石川県防災会議震災対策部会委員●日本公衆衛生学会代議員●日本公衆衛生看護学会査読委員 など産学連携による道路貨物運送業における健康リスク診断と保健行動改善に向けてのプログラムの作成研究の概要 国土交通省は、事業用自動車の運転者が疾病が原因で事故を起こしたり、運転を中断したりした、いわゆる健康起因事故の統計を毎年公表している。過去8年間に健康起因事故を起こした運転者2,177人の疾病別の内訳をみると(平成25年から令和2年までの合計)、心臓疾患、脳疾患、大動脈瘤および解離で全体の31%を占めている。 我々は、産学連携の下、検診センター5年間分の定期健康診断受診者約40,000人を対象に、脳血管障害、および心筋梗塞の発症確率を算出した。その後、健康経営のための基礎資料にすることを目的に、某道路貨物運送業の定期健康診断受診者に対して、職場別、職種別に発症スコアを算出し、さらに、職種別に生活習慣スコアを算出した。今後は、対象を広げて診断を行い、保健行動改善に向けての基礎資料を得たいと考えている。塚田 久恵 教授

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