研究者情報 研究シーズ集
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SEEDS | 57研究の内容(大学院向け) 「他害行為を行った精神障がい者の評価、治療、社会復帰支援における看護師の役割」研究における4つのサブテーマ「1.日本における医療観察法対象者に対する治療?評価?社会復帰支援」、「2.日本における司法精神医学?司法精神看護学教育の方向性」、「3.日本と欧米諸国と司法精神医療教育体制の違い」、「4.司法精神医療制度の国際比較」に沿って研究を進めており、現在は、司法精神看護学教育の確立に向けて、分担研究者らと共に活動を行っています。司法精神看護/精神科身体合併症看護/感情活用Yukiko Minocontact: mino-pn@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/read0123773図1. 指定入院医療機関の整備状況 R4.4.1現在 厚生労働省HPより大学院での研究では、学生自身が関心を持っているテーマを大切に扱います。博士前期課程でしたら比較的どんなテーマでも対応可能です。博士後期課程の場合は、テーマと内容にオリジナリティが求められますので、取り組みたいテーマがありましたら、事前にご相談ください。メッセージ図2. 医療観察法の仕組み 厚生労働省HPより 専門分野?研究分野精神看護/メンタルヘルス/司法精神看護学精神科身体合併症看護研究分野精神保健看護学所属学会日本司法精神医学会/日本看護科学学会日本精神科看護学会/看護実践学会日本看護研究学会学歴?経歴●北里大学東病院 看護師1997年北里大学大学院 修士(看護学)1999年東京慈恵会医科大学 助教2004年東京医科歯科大学大学院 博士(看護学)2006年国立精神?神経医療研究センター精神保健研究所 厚生労働技官 研究員2009年東京医科歯科大学大学院 准教授2022年石川県立看護大学 教授受賞美濃由紀子:TMDU Award for Excellence in Teaching(ベストティチャー賞). 東京医科歯科大学, 2016論文Yukiko Mino, Takaki Makino, Yutaka Emoto: Investigation of in-home monitoring methods for forensic outpatients treated under the Medical Treatment and Supervision Act. Japan Journal of Medical Informatics, Vol.43, pp981-984, 2023書籍等出版物美濃由紀子編著. これだけは知っておきたい『精神科の身体ケア技術』. 医学書院. 講演?口頭発表等美濃由紀子,松浦佳代,菊池安希子: 国公立大学における「司法精神看護学」の学部教育内容の検討. 第19回日本司法精神医学会大会, p68, 2023競争的資金等の研究課題他害行為を行った精神障がい者の評価, 治療, 社会復帰支援における看護師の役割. /「司法精神看護学」教育のカリキュラムの開発と多職種連携教育方法の検討. 文部科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)基盤(C)社会貢献活動●日本司法精神医学会 査読委員●国立精神?神経研究センター 精神保健研究所 客員研究員重大な他害行為を行った精神障がい者の治療、社会復帰における看護師の役割の明確化を図る研究の概要 わが国では従来、他害行為を行った精神障がい者の医療は、専門システムの不備から極めて劣悪な状況下にありましたが、2007年の医療観察法の施行によって飛躍的な改善を遂げました。同法の対象者は、病状の重篤さや複合性、課題の深刻さから一般精神科医療の枠では治療?処遇が非常に困難でしたが、マンパワー確保による治療契約?多職種連携等の条件が整備されたことで、早期に社会復帰ができるようになりました。司法精神医療の現場において、特に看護師が担う役割は、多岐にわたることから司法精神医療で行われているケアの実態を明らかにすることを通じた啓発と司法精神看護学教育の充実は必須課題であると考えています。司法精神医療制度や専門教育体制は、国による違いも大きく、それらの充実のためには国際的な視点からの検討も必要です。私は、司法精神医療における看護職が果たす役割の明確化と司法精神看護学教育の充実に向けた研究活動を行っています。美濃 由紀子 教授

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