研究者情報 研究シーズ集
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62 | SEEDS研究の内容(大学院向け)“痛くない、簡便で、リアルタイムな新たな健康管理システム”を開発する 地域在住者の健康を守るためには適切な健康管理が必要である。さらに、高齢化や地方の過疎化が進む今日においては、地域在住者が自分で自分の健康管理をする“セルフケア”の概念が重要性を増している。従来、健康管理のためによく用いられてきた採血による血液検査は出血や痛みを伴うだけでなく、セルフケアの一環として自身で検査を行うことが困難であった。そこで我々は、スキンブロッティング法という、皮膚にパッチテストのようなブロッティングメンブレンを貼付し、皮膚の間質液に含まれる生体指標を検出する生体検査法を用いて、誰もが簡便かつ非侵襲的に、健康状態や栄養状態などを評価することができる新しい生体検査ツールを開発に取り組んでいる。さらに、それを活用し適切な介入や疾病予測が可能となる健康管理システムの構築を目指して日々研究に取り組んでいる。臨床栄養学/看護理工学Yoko Hasegawacontact: haseyoko@ishikawa-nu.ac.jpリサーチマップ https://researchmap.jp/yoko.hasegawa臨床で働く看護師さん以外にも、研究や教育現場で活躍する道もあります。県内だけでなく、県外や海外で活躍する道もあります。本学で皆さんの可能性が最大限発揮されるよう、全力でサポートします。ぜひ本学で一緒に学びましょう。メッセージ研究分野臨床栄養学/看護理工学所属学会看護理工学会/日本臨床栄養代謝学会 学術評議員/日本病態栄養学会/日本消化器病学会/日本糖尿病学会/日本創傷?オストミー?失禁管理学会/日本看護科学学会学歴?経歴2006年徳島大学医学部栄養学科 卒業2008年徳島大学大学院栄養生命科学教育部博士前期課程 修了(栄養学修士)2010年University of Pittsburgh, School of Health and Rehabilitation Sciences, Coordinated Master in Nutrition and Dietetics 修了(栄養学修士)2017年東京大学大学院医学系研究科 健康科学?看護学専攻博士課程 修了(保健学博士)2022年医療リアルワールドデータ活用人材育成事業一般履修コース 修了受賞2021年Japan Digestive Week 2021,Best Presenter Award 受賞2018年第36回日本肝移植研究会学術集会 優秀演題賞2011年米国骨代謝学会年次学術集会Young Investigator Award 受賞論文●Hasegawa Y, et al. A change in temporal muscle thickness is correlated with past energy adequacy in bedridden older adults: a prospective cohort study. BMC Geriatrics . 15; 21(1): 182, 2021.●Hasegawa Y, et al. Temporal muscle thickness as a new indicator of nutritional status in elderly individuals. Geriatrics & Gerontology International . 19(2): 135-140, 2019.競争的資金等の研究課題スキンブロッティング法を用いた非侵襲的栄養評価法の開発と在宅栄養管理への応用(科学研究費助成事業 若手研究 2023-2025年度)栄養学と看護理工学をビッグデータで融合し、人々が健康で幸せに生きることを支えるサイエンスを目指す研究の概要 地域在住者が健康で長生きできる社会の実現を目指し、「栄養学」と「看護理工学」を融合させ、“痛くない、簡便で、リアルタイムな新たな健康管理システム”の開発を目指している。具体的には、スキンブロッティングという非侵襲的な生体検査法を用いて、地域在住者が自分で自身の栄養状態や健康状態を評価できるセルフモニタリングツールの開発と、それを活用した健康管理システムの構築に取り組んでいる。長谷川 陽子 共同研究講座准教授

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