研究者情報 研究シーズ集
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SEEDS | 73心不全による再入院率の高さが問題視されている。その要因は、在宅療養中の心機能の悪化兆候を早期発見出来ていないことや、心機能悪化後に出現する症状をモニタリングしていること、在宅における医療者のマンパワー不足にある。そこで、心不全療養者が自身の心機能をタイムリーに把握し、日常生活行動変容をとることで再入院予防に繋がると考えた。これらの条件を満たす、心不全療養者によるセルフモニタリング心エコーの実現可能性について検討を重ねている。わが国が目指す認知症を有する人との共生社会の実現のためにも、医療者には効果的な退院先選択に関する意思決定支援の実践が求められる。認知症を有する人と家族にとって適切な退院先を調整するためにどのような課題があるのかを明らかにするために、認知症を有する高齢者と家族が退院後の住まいを選択するまでのプロセスや両者に生じるずれの探索を行っている。さらに、地域包括ケア病棟における高齢者の退院に関する実態や退院先に影響する要因を明らかにするための研究に取り組んでいる。令和2年から過去8年間に健康起因事故を起こした運転者の疾病別内訳をみると(国土交通省自動車局統計)、心臓疾患、脳疾患等の循環器疾患で全体の31%を占めている。我々は、産学連携の下、検診センター5年間分の定期健康診断受診者約40,000人を対象に、脳血管障害、および心筋梗塞の発症確率を算出した。その後、某貨物運送業の定期健康診断受診者に対して、職場別、職種別に発症スコアを算出し、さらに、職種別に生活習慣スコアを算出した。今後は、対象を広げて診断を行い、保健行動改善に向けての基礎資料を得たいと考えている。日本の高齢者の就労意欲は諸外国と比較しても高い。少子高齢化が急速に進展し人口が減少する中、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある高年齢者が活躍できる環境の整備を目的として、「高年齢者雇用安定法」の一部が改正され、令和3年4月1日から施行されている。社会の要請でもある高齢者の就業の場において、健康づくりの効果を検証することができれば介護サービスを使わず健康で暮らせる時間が延伸するのではないかと考えアクションリサーチにて検討している。メンタルヘルス不調は休職期間が長期化しやすく、再発?再休職の割合も高いことから、職場における職場復帰支援は重大な課題である。メンタルヘルス不調者に対する適切な職場復帰支援は,職場復帰を促進する要因であり、円滑な職場復帰支援には事業場内の連携は欠かせない。特に、復帰時には職場配置等の人事労務管理上の配慮が必要となることから、それを担う人事労務担当者との連携は重要である。本研究では、メンタルヘルス不調者の職場復帰支援における産業看護職と人事労務担当者との連携に影響する因子を明らかにすることを目的としている。研究テーマ研究テーマ研究テーマ研究テーマ研究テーマ在宅心不全療養者へのセルフモニタリング心エコー導入による先駆的な遠隔医療システムのモデリング認知症高齢者がその人らしく暮らすことができるよう手助けするための研究産学連携による道路貨物運送業における健康リスク診断と保健行動改善に向けてのプログラムの作成団塊世代男性を対象とした定年退職後の再就労の場における介護予防プログラム構築メンタルヘルス不調者の職場復帰支援における産業看護職の人事労務担当者との連携の影響因子大橋 史弥 [P.48]研究キーワード 心不全/セルフモニタリング/心エコー/遠隔医療 近藤 考朗 [P.49]研究キーワード 認知症/退院支援/意思決定支援塚田 久恵 [P.50]研究キーワード 道路貨物運送/健康リスク診断/保健行動米澤 洋美 [P.51]研究キーワード 主体的健康づくり/退職後高齢者 シルバー人材センター/介護予防室野 奈緒子 [P.52]研究キーワード メンタルヘルス/職場復帰支援/産業保健 AR(Augmented Reality) DX(Digital Transformation)産業保健看護職(産業看護職)/連携

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