研究者情報 研究シーズ集
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2023年4月に「こども家庭庁」が新設され児童のいる家庭のみならず施設で生活する児童も等しく健やかに成長するための支援が求められている。障害児に対して、保護、日常生活の指導及び知識技能の支援を行う児童福祉法に基づく入所施設に「福祉型障害児入所施設」がある。児童虐待により児童相談所を経て福祉型障害児施設に入所となる児童も少なくなく、中でも障害児の中でも知的障害児が多いのが特徴である。そこで、医療受診やこころの相談で苦慮した申請者の行政保健師としての経験から、福祉型障害児入所施設での行政保健師の知的障害児への支援技術の実態を明らかにし、福祉型障害児入所施設での知的障害児に求められている支援を検討する基礎資料とする。認知症高齢者の家族介護者のほとんどが睡眠の不満を経験していることが知られている。これまでに、睡眠に問題を抱える介護者が、非介護者に比べて高血圧リスクが高いことを明らかにし、心血管疾患発症予防のための睡眠支援について提案している。国内には1万を超える訪問看護ステーションがあるが、小児訪問看護に特化した訪問看護ステーションは43施設のみであった。そこで、日本国内のどこに住んでいても、医療的ケア児とその家族が自宅で一緒に安心して暮らせる社会の実現を目指し、訪問看護師による育児支援について取り組んでいる。わが国では在院日数の短縮化や病床数削減に取り組む一方、在宅医療の充実や、医療上のニーズや日常生活に課題を抱える患者が在宅生活に移行できるよう推進されている。また、高齢化に伴いがん患者も増加することが予測される。近年では自宅での終末期医療や最期を希望する国民のニーズが明らかとなっている。このようなニーズに答えるためには、早期からの退院支援が重要となってくる。食べることは単に栄養をとるだけでなく、喜びを感じたり、人と一緒に食べることにより仲が深めたりする生きる上で欠かせないことである。しかし、人生の楽しみである食事が困難となる場合がある。その原因の一つには加齢や病気による口の機能の衰えがあり、口の機能が衰えると、食べられなくなり心身機能が低下する。そこで、口の機能の低下に早く気付いて予防することで、食べることを諦めなくて良い社会にしたいと考えている。わが国では、重大な他害行為を行った精神障がい者の医療は、従来、専門システムの不備から極めて劣悪な状況下にありましたが、「医療観察法」の施行によって飛躍的な改善を遂げました。同法の対象者は、病状の重篤さや複課題の深刻さから一般精神科医療の枠での治療が非常に困難でしたが、治療契約?多職種連携等の条件が整備されたことで、早期に社会復帰ができるようになりました。特に看護師が担う役割は多岐にわたることから、司法精神医療で行われているケアの実態を明らかにすることを通じた啓発と司法精神看護学教育の充実は必須課題であると考えています。74 | SEEDS研究テーマ研究テーマ研究テーマ研究テーマ研究テーマ福祉型障害児入所施設に配属された行政保健師が行う知的障害児に対する支援技術?家族介護者の健康支援?医療的ケア児の養育者への育児支援?介護予防病棟看護師の終末期がん患者に対する退院支援の実践自己評価と関連要因の検討高齢者の口腔機能に関する研究? 他害行為を行った精神障がい者の評価、治療、社会復帰における看護師の役割? 日本における司法精神医学?司法精神 看護学教育の方向性? 身体疾患を併発した精神疾患患者の 治療?ケアに影響を及ぼす要因嶋 雅奈恵 [P.53]研究キーワード 地域看護/公衆衛生看護学/児童虐待桜井 志保美 [P.54]研究キーワード 介護者/心血管疾患リスクファクター/睡眠/介護予防 山路 朋子 [P.55]研究キーワード 病棟看護師/終末期がん/退院支援牛村 春奈 [P.56]研究キーワード 在宅看護/パーキンソン病/口腔機能美濃 由紀子 [P.57]研究キーワード 司法精神看護/医療観察法/精神科身体合併症看護医療的ケア/育児

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